最近、仮想通貨界隈で頻繁に耳にするのが「USDT」や「Tether」といった言葉ですね。
しかし、何も知らない人からした、
USDTってなに?
新しい仮想通貨?
USD(アメリカドル)と関係あるの?
って感じだと思います。
そこで、今回はUSDTやTetherについて解説していきたいと思います。
Tether(テザー)・USDTとは?
それでは早速、Tether(テザー)やUSDTって何?という部分を解説していきたいと思います。
Tetherとは、2015年2月25日に運用が開始されたブロックチェーン上で稼働する仮想通貨です。運営母体はTether Limitedという香港の企業です。運営母体があるということは、完全に中央集権型の仮想通貨ということになります。
Tetherの価値は、他の仮想通貨とは違い、米ドルや日本円などの法定通貨とほぼ連動しています。
USDT(USD Tether)とは、その名の通りUSD版のTetherということで、1USDT≒1USDといった感じで、ほぼ同じ価値を保ち、崩れることはありません。
米ドルだけではなく、Tehterは様々な法定通貨に対応しています。特定の通貨と自国の通貨の為替レートを一定に保つ「ペッグ通貨」というものがありますが、Tetherはペッグ通貨の仮想通貨版とも言えます。
Tetherが法定通貨と価値を保てる仕組み
それではなぜTetherが法定通貨とほぼ同じ価値を保つことができるのでしょうか?
それは、Tether Limitedという運営会社が関係します。上記で説明したように、TetherはTether Limitedという会社が運営している仮想通貨ですが、利用者がTetherを入手するためには、Tether Limitedに法定通貨を入金して、同額分のTetherを発行してもらうという手順が必要になります。逆に、Tetherを法定通貨に換金したい場合は、TetherをTether Limitedに入金することによって可能となっています。法定通貨の入金と同時にTetherは消滅する仕組みです。
つまり、Tether Limitedに入金された法定通貨と、市場に出回っているTetherは常に同額になっているのです。
こうした仕組みが、Tetherと法定通貨の価値を常に連動させることができるわけです。
ちなみに、Tether Limitedは、自分たちのところに入ってきた法定通貨の額を常に公開しています。これは、「私たちにはすぐでも顧客の資産を払い戻す力があるから安心してね」というメッセージが込められています。こういう仕組みで信用を買い、運営を続けているということですね。
Tetherのメリット
Tetherのメリットといえば、送金のスピードや手数料の安さが法定通貨より優れている点にあるかと思います。
Tetherはブロックチェーン上で稼働する仮想通貨なので、送金のために銀行をいくつも介したり、送金の手数料が莫大にかかってしまうということはありません。
この辺は他の仮想通貨の特徴と一緒ですね。しかし、Tetherはある特定の目的を持った人にとっては、他の仮想通貨よりメリットが大きいのです。
ビットコインなどの仮想通貨は、送金に優れているとはいっても価格変動が激しいので、決済の際に「〇〇BTC=〇〇円」という風に価値を決定するのはなかなか難しいですよね。個人間ではあまり問題になりませんが、海外とやり取りをしている企業にとっては大きな問題です。
そうなると、価格が比較的安定している法定通貨で決済する方が良い!となりますね。しかし、法定通貨の場合は、海外に送金するとなると、何重にも銀行を介さないといけなかったり送金手数料も高額になったりと、こちらも面倒といえば面倒です。
そこでTetherの登場です。
法定通貨を海外に送金する場合、一度Tetherに換えてから送金を行なうのです。Tetherはブロックチェーン上で稼働する仮想通貨なので、送金手数料もスピードも法定通貨よりは格段に優れているのです。
法定通貨の価値を保ちながら、速く安く送金できるので、企業などにとっては大きなメリットですよね。
Tetherのデメリット
Tetherにもデメリットはあります。
冒頭でも言ったように、TetherはTether Limitedという会社が運営している仮想通貨なので、他の仮想通貨とは違い中央集権型となります。仮想通貨の良さは非中央集権の部分にあるともいえるので、この点はデメリットになるかと思います。
なぜ中央集権がデメリットになるかというと、カウンターパーティーリスクというものがあるためです。
カウンターパーティーリスクとは、Tether Limitedが倒産したり、ハッキングされたり、不正が行われると流通しているTetherと法定通貨の量のバランスが崩れてしまうというリスクです。
こうなるとサービス自体が破綻してしまいますよね。倒産してしまうとTetherの価値はゼロになってしまいますし・・・。これは中央集権型が抱えるリスクの特徴ですね。
こういったリスクには注意が必要です。
Tether(USDT)の現在の価格
Tether(USDT)の現在の価格をリアルタイムで表示したものです。今いくらになっているか確認してみましょう。